映画【言の葉の庭】(※ネタバレあり)
主な登場人物は以下の2名。
- たかお:高校1年生男子。靴作りに強い関心があり、専門学校に入りたいと思っている。
- 雪野:27歳。高校教師。古典を教えている。
感じたことをアウトプット!
それじゃあ早速ゥー!
最大の感想。
男子高校生の憧れのシチュエーションやん。たかお。
うらやましいだけ。とにかくうらやましいだけ。
もうそれだけ。色々辛かったやろうけども、まとめるとそれだけ。
高1男子にとってはあまりにも非現実的で、刺激が強すぎる。
夢のような時間で、そら惚れるってことよね。
たかおは何も悪くない。
夢のような時間過ぎて、その分ショックや失望も大きいとは思う。
まさに「甘酸っぱい」を地で行く体験。
でも、本当にこんな経験が出来たら本当に素晴らしいと思う。
「雨の日は学校を午前中サボる」という、
普通の人はやらない事をやるという覚悟からくる行動がもたらしたものだとも言えるね。それはある意味全ての物事に対して言えること。
リスクをとること。
自分の考えや想いをどれだけ尊重出来て、人からどう思われるかをどれだけ気にしないでいられるか。
そんな行動がもたらした経験であり、財産。
人と同じことをやっていては、人と同じものしか得られない。
雪野は学校で生徒にいじめられ、メンタルを病んでいた。
そして朝から缶ビール2本を飲み、チョコレートを食べまくる。公園で、1人で。
それは余計に駄目だろうと思うんだよね。
曰く、「ビールとチョコレートの味しかしない」らしい。
そこは病院に行った方がいいと心から思ったよね。。。
たかおは何事にも素直で、まっすぐで。
夢に対しても、雪野に対しても。
だから雪野もそんなたかおに救われたんだろう。
雪野をいじめる上級生に力で立ち向かっていったのもたかおらしい。
大人になれば、良くも悪くもそんな行動はとらない。
そんな大人の典型を雪野の元彼が象徴しているように感じた。
たかおと元彼との対比があり、雪野はたかおに心を救われたのだろう。
大人の女性でありミステリアスな雪野にたかおは惹かれ、
そんな雪野は実は悩んで、挫折して、上手く歩けなくなってしまった大人だった。
たかおにとって雪野は立派な大人であり、社会人であり、ある意味別の世界の人。
でも、大人だって社会人だって、もがいて苦しんで挫折する。
それは人には見せなかったりもする。
たかおが大人だったら雪野のそんな状況を何かしら察したかもしれないけれど、
大人の女性に憧れまくってもおかしくない高校1年生男子のたかおでは、そこまで思い至らなかったのかもしれない。
それはしゃーないよね。
雪野は自分が嘘だらけだと自覚し、最後もたかおに対して本心を隠して嘘をついた。
大人だから、大人ぶって当然なのかもしれない。誰しもがそうするのかもしれない。
だって、相手は高校1年生だもんね。
たかおもそんな雪野の気持ちにその時は気付けなかっただけなのだと思う。
最後の最後、季節が巡っていくシーンで『気付いた』ような事を言っていたと思う。
気付けるくらいにたかおが大人になったという事なのだろう。
それに対して雪野も、救ってくれたたかおに理解してほしい、理解してくれると信じて、素直になりたくて、本心を打ち明けた。心を許した、、、心を許したまでは言い過ぎなのかもしれない。人の気持ちは複雑だから。
それは雪野の成長なのかもしれないし、傷ついていたからそうなったのかもしれない。
どちらにしても、
雪野がたかおに惹きつけられたのは友情なのか、愛情なのか、恋心なのか、それとも何か他の一言では言い表せない特別な感情なのかは分からないけれど、どんな感情だったとしても、
相手が高校生だとか、いくつ歳が離れているだとかは本質的には関係ないものだと思う。
雪野も、最後の方までは大人ぶって自分の気持ちに嘘をついていたけれど、最後の最後にその事に気づいたのだろう。
、、、法律とかはここではとりあえず置いておくことにするよね。
ただし、
高1男子のたかおにとっては刺激が強過ぎるってことだよね。
学んだこと。
- 自分に素直になる。自分の気持ちに嘘をつかない。
- 相手にも素直になる。素直に気持ちや感謝を言葉で伝える。
単純だけど自分にとっても、自分を好きでいてくれて信頼してくれる相手にとっても大切なこと。
じゃないと本気で後悔して自分も傷つくし、相手も傷つける。
大人だって挫折するし、上手く歩けなくなる。
それは誰にだってある。
それは決して恥ずかしいことではないし、それを救ってくれる人がいたとして、その人が大人だとか子供だとか、立場だとかは関係ない。
自分が救われることもあるだろうし、救うこともあるだろう。
そんな時に自分の気持ちに素直になって、相手にも素直になることが大切。
自分と相手を大切にし、気持ちを言葉で表現することが大切。
物語として、
「自分で歩く」「靴」「靴を作ってあげる」という要素を上手く使って掛けているなと思った。
カフェラァテも社会人だから、なんだかんだ雪野側にも共感した。
もちろんたかおにも共感したが、
「とにかくうらやましい。とはいえ辛いよな。でもさ、やっぱうらやまし過ぎるシチュエーションよ」
という結論にどうしてもなってしまうんだよね。
ただし、雪野側に共感したからこそ思うんだけど。
男子高校生にこのシチュエーションは刺激が強すぎるってことに気付かないかね、
それだけは気付こうよ、雪野先生。
いや、気付いていただろうね。
むごいよね、、、
たかおが自分に惚れるかもしれないという気持ちは無かったのだろうかね、雪野先生。
いや、無いわけがないだろうね。
それはつまり、たかおを弄んではいないかね。そういうことにはならないかね。
いや、そういうことになるだろう。
正直、鑑賞中常にそう思いながら観ていたよね。
正直、それで頭の中はいっぱいだったよね。
てなわけで、
決着ゥゥーーーーッ!!